2025/11/14 BLOG リースバックを選ばなかった2つの事例 一般社団法人近畿任意売却支援協会の椿です。 「リースバックなら住み続けられる」と聞いて安心される方は多いですが、賃料や買戻し条件によっては他の方法の方が合理的なケースもあります。今回は、リースバックを検討したうえで“あえて選ばなかった”2つの事例をご紹介します。 目次 ケース①:賃料が家計を圧迫する見込み → 賃貸住み替えへ 背景と試算 判断のポイント ケース②:親族間売買で住み続け+資産承継 背景とスキーム 注意点 リースバックとの比較チェックリスト まとめ:方法ではなく「目的」と「数字」から逆算する ケース①:賃料が家計を圧迫する見込み → 賃貸住み替えへ 背景と試算 A様ご夫妻(40代)は、リースバックで住み続ける方向で検討を始めましたが、試算すると賃料負担が大きいことがわかりました。 想定リース賃料:12.5万円/月 家計余力:9万円/月 → 毎月3.5万円の赤字 結論:近隣の賃貸マンション(8.2万円/月)へ住み替え 任意売却により住宅ローンを完済し、残債約50万円を分割和解。生活を立て直す余力を確保しました。 判断のポイント ・「住み続けたい」気持ちだけで決めない ・5年トータルコスト(賃料+管理費+買戻し費用)で比較 ・家計に合った“現実的な支出ライン”を見極めることが大切です ケース②:親族間売買で住み続け+資産承継 背景とスキーム B様(60代)は、子どもが住宅ローンを組める状況にあり、親族間売買で住み続ける形を選びました。 ・子どもが住宅ローンで物件を購入(相場と同等価格) ・売買契約 → 抵当権抹消 → 賃貸借契約または同居へ ・税理士・司法書士と連携し、贈与・相続の影響を事前に整理 結果、安心して住み続けながら資産を次世代に承継できました。 注意点 ・売買価格は第三者査定をもとに「時価」で設定 ・親族間取引は税務署の確認対象になるため、根拠資料を準備 ・管理費・固定資産税などの負担分担を契約書に明記しておくこと リースバックとの比較チェックリスト □ 賃料が家計の何%か(目安:手取りの25%以内) □ 買戻し価格と期限(想定5年以内に可能か) □ 5年総コスト比較(リースバック/賃貸住み替え/親族間売買) □ オーナー変更時の居住継続リスクの有無 まとめ:方法ではなく「目的」と「数字」から逆算する リースバックは「手段」であって「目的」ではありません。 大切なのは「どう暮らしたいか」「どんな家計を維持できるか」。 住まいの解決策を“数字で比較”して選ぶことが、後悔しない選択につながります。 当協会では、リースバック・任意売却・住み替え・親族間売買をすべて比較試算します。 家計・税務・債権者交渉までワンストップでサポートします。
一般社団法人近畿任意売却支援協会の椿です。
「リースバックなら住み続けられる」と聞いて安心される方は多いですが、賃料や買戻し条件によっては他の方法の方が合理的なケースもあります。今回は、リースバックを検討したうえで“あえて選ばなかった”2つの事例をご紹介します。
目次
ケース①:賃料が家計を圧迫する見込み → 賃貸住み替えへ
背景と試算
A様ご夫妻(40代)は、リースバックで住み続ける方向で検討を始めましたが、試算すると賃料負担が大きいことがわかりました。
想定リース賃料:12.5万円/月
家計余力:9万円/月 → 毎月3.5万円の赤字
結論:近隣の賃貸マンション(8.2万円/月)へ住み替え
任意売却により住宅ローンを完済し、残債約50万円を分割和解。生活を立て直す余力を確保しました。
判断のポイント
・「住み続けたい」気持ちだけで決めない
・5年トータルコスト(賃料+管理費+買戻し費用)で比較
・家計に合った“現実的な支出ライン”を見極めることが大切です
ケース②:親族間売買で住み続け+資産承継
背景とスキーム
B様(60代)は、子どもが住宅ローンを組める状況にあり、親族間売買で住み続ける形を選びました。
・子どもが住宅ローンで物件を購入(相場と同等価格)
・売買契約 → 抵当権抹消 → 賃貸借契約または同居へ
・税理士・司法書士と連携し、贈与・相続の影響を事前に整理
結果、安心して住み続けながら資産を次世代に承継できました。
注意点
・売買価格は第三者査定をもとに「時価」で設定
・親族間取引は税務署の確認対象になるため、根拠資料を準備
・管理費・固定資産税などの負担分担を契約書に明記しておくこと
リースバックとの比較チェックリスト
□ 賃料が家計の何%か(目安:手取りの25%以内)
□ 買戻し価格と期限(想定5年以内に可能か)
□ 5年総コスト比較(リースバック/賃貸住み替え/親族間売買)
□ オーナー変更時の居住継続リスクの有無
まとめ:方法ではなく「目的」と「数字」から逆算する
リースバックは「手段」であって「目的」ではありません。
大切なのは「どう暮らしたいか」「どんな家計を維持できるか」。
住まいの解決策を“数字で比較”して選ぶことが、後悔しない選択につながります。